後立山南部(長野) 爺ヶ岳中峰(2669.9m)、南峰(2660m) 2022年8月12日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:33 柏原新道登山口−−2:32 ケルン−−3:42 アザミ沢−−3:53 ガレ沢−−4:16 種池山荘−−5:05 爺ヶ岳中峰 5:30−−5:44 爺ヶ岳南峰 5:47−−6:24 種池山荘−−8:11 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2022年8月12日 日帰り
天候曇。南西の風やや強し
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望南峰、中峰とも邪魔するものがなく晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント日本海に前線、南には熱帯低気圧あり微妙な天気予報だが、最も天気がマシそうな後立山へ。山頂から安曇野方面で雨が降っているのが見えたので選択は正解だった模様。下山したらボツボツと雨が降り始めた。前線に近いため暴風覚悟であったがやや強い程度で済んだ。気温は高め。お盆休み中だが前夜には駐車場の空きが目立った。夜間登山者は私の他に少なくとも4人はいた模様。今回のコースでは花はすっかり秋モードだった。




柏原新道登山口前駐車場。前日夕方はガラガラだった 思ったよりも天気は良く雲間から月が見えた
扇沢駅。夜中でも明るいので目立つ アザミ沢
ガラ場。さすがにもう雪は無い 大町の夜景
種池山荘 東の空は明るくなってきたがまだライトが必要
後続に小屋泊まりの登山者の光 日の出を迎えたようだ
爺ヶ岳山頂(中峰) 短時間だが越後駒ヶ岳、中ノ岳、巻機山が見えた
爺ヶ岳中峰から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た立山〜剱岳
爺ヶ岳中峰の影が延びる 爺ヶ岳中峰から見た爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍ヶ岳南峰。人の姿あり 爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍ヶ岳北峰。人の姿あり
針ノ木岳山頂。ここにも人影あり 雲の隙間に入らないと太陽が出ない
冷池山荘 冷池山荘テント場。風が強かっただろう
鹿島槍ヶ岳 南峰に向かう
トウヤクリンドウ ミヤマダイコンソウはおしまい
コゴメグサだが細かな種類は不明 ゴゼンタチバナ。残り僅か
気が早いウラシマツツジの紅葉 南峰に登り返す
鞍部南側の雪渓はほとんど消えていた コマクサもしおれ掛け
僅かに残ったミヤマダイコンソウの花 爺ヶ岳南峰山頂
爺ヶ岳南峰から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た爺ヶ岳中峰 爺ヶ岳南峰から見た爺ヶ岳南尾根
種池山荘へ下る 扇沢。早朝から駐車場が結構埋まっている
針ノ木雪渓。写真では3人確認できた 安曇野方面の山は雨が降り始めた
たぶんオヤマソバ ヤマハハコ
この時間は立山、剱岳が良く見えていた ミヤマアキノキリンソウ。今の主役
お花畑は最終盤。一部のチングルマが咲いている エゾシオガマ
葉っぱらしてたぶんハクサンボウフウ チングルマ
コイワカガミとアオノツガザクラ。咲き残り ミツバオウレンが僅かに残っていた
驚くことにツマトリソウがまだ咲いていた ミヤマリンドウは開いていなかった
オトギリソウ 種池山荘
テガタチドリ。山荘前に毎年咲いている ハクサンフウロ
たぶんミヤマコウゾリナ ミヤマホツツジ
お花畑もほとんどおしまい ハクサンフウロとウサギギク
ユキノシタ科 チダケサシ属の何か。私には判別困難 ニガナ。細かな種類は不明
ニガナの群落 ガラ場手前にミソガワソウ発見
ガラ場
ガラ場近くのミヤマキンポウゲの群落 ミヤマキンポウゲ
オオバミゾホオズキ ヨツバシオガマ
たぶんミヤマアカバナ オヤマリンドウ
モミジカラマツはほぼおしまい アザミ沢
オオカニコウモリ こちらはカニコウモリ
どうやらツルリンドウらしい ヨツバヒヨドリ
ハクサンオミナエシ シロバナニガナ
扇沢は満車。雷鳥駐車場に案内されていた カライトソウ
調査の結果、ツルアリドオシで間違いなさそう この蝶はアサギマダラっぽい
草ではなく木の花。種類不明。調べるのは大変 ミヤマが付かないホツツジ
オオバギボウシ オオカメノキ
ソバナ。このコースでは初めて見た キオン。完全に秋の花
登山指導所に人が詰めていたがお盆までかな 駐車場は満車だった


 会社の夏季休暇中の4回目の山は爺ヶ岳とした。主な要因は天候と体力で、予報では安曇野以南では朝から雨で後立山より北が雨の確率が低かった。日本海には前線が停滞して東北北部では大雨が続いているが長野では影響が少なく、逆に南の熱帯低気圧の方が間接的に影響が出ているようだ。長野県内では北ほど降水確率が低いので日帰りでは白馬岳が一番いいが、一日おきの山行が続いているので体力的にきつい。唐松岳は2日前に登ったばかりなので爺ヶ岳が無難な線だと判断した。ただし前線にそこそこ近く強風の可能性があり、また、南から湿った風が吹き込むので稜線はガスの中かもしれない。

 前日夕方に出発。相変わらず長野市内は猛暑だが標高約1360mの扇沢は涼しくて快適。大町市街地付近から鹿島槍、爺ヶ岳など後立山の稜線がすっきりと見えていた。この天気が明日まで続けばいいが、予報では今よりは崩れるはず。せめて雨が降らないことを祈ろう。

 さすがお盆休み期間中だけあって柏原新道登山口近くの駐車スペースはスノーシェッドを下った先にも車があった。しかし日帰りやこの日に下山した登山者の車がいなくなるので空きがあり、登山口目の前の駐車場には2台しか車が無く確保成功。夜中に車が上がってきて出発時は空きは1,2台に減っていた。夜半は月が明るかった。

 夜中1時前に起床するとライトを点灯して登山口を登っていく登山者が数名見られ、隣に駐車した車の主はすぐに準備してこれまた出発。夜間登山者がこれだけ見られたのは久しぶり。私も飯を食って午前1時半過ぎに出発。頭上には星は見られないが雲の隙間から月明かりが見られたので雨が降るような分厚い雲ではないらしい。ただし稜線の様子は不明。

 相変わらず柏原新道の歩きやすさは北アでもトップクラス。気温は思ったよりも高くいはなく、濡れタオルを出動させずとも扇だけで汗を防げた。ただし虫は多く虫よけを塗っておいて正解だった。まだ谷底なのに風が強まる場面があり、稜線では相当な強風と思われた。行動に支障が出るほどではないといいのだが。

 今回は登山道脇に雉打ち後の紙が目立った。やるならもう少し目立たない場所ですればいいのに。

 種池山荘までは樹林帯を歩くので先行者のライトの光はほとんど見えないが、たまに樹林が開けた場所からはその光が見えることも。30分以上時間差がありそうな光もあったが近くの光には追い付いて追い越してしまった。私の体力は100%ではなくいつもより歩くペースは遅いはずなのだが。

 一ヶ月前には残雪があったアザミ沢、ガラ場はすっかり雪は消えていた。登山道で見られる花はここでも主にミヤマアキノキリンソウで、下界はまだまだ夏だが山では徐々に秋に向かっていることが感じられた。

 7月より日の出が遅くなりまだ真っ暗な時間に種池山荘に到着。これが7月前半ならライトが不要な明るさになっているはずだ。今から山荘を出発する登山者の姿もあり、それに混じって爺ヶ岳方面へ向かう。小屋東側のお花畑はピークを過ぎてチングルマの綿毛が目立った。逆光で見えている爺ヶ岳南峰にはガスはかかっていないようだ。

 低いハイマツの稜線に出ると立山、剱岳方面が開けるが、まだ暗くてよく見えないがどうやら雲がかかっているようだ。風は思ったよりは強くなく、これなら防寒対策だけすれば問題なく歩けそうで一安心。爺ヶ岳方向には3つのライトの光があり、先頭は既に北峰を巻く道に入っていた。鹿島槍には雲がかかっていないのが見え、思ったよりも天気はいいようだ。

 低いハイマツのジグザグ道を上がっていくと徐々に南西の風が強まり体感的に寒さを感じるようになったので長袖シャツとウィンドブレーカ、毛糸の帽子と軍手を着用した。ズボンは登山靴を脱ぐ必要があるので山頂に到着してから。

 往路では南峰はパスしてまずは中峰へ。東の空は背の高い雲海で日の出は遅くなりそうだ、というか、すっきりとした日の出は見られなかっただろう。中峰山頂北側の稜線には三脚を構えた人の姿あり。今日の天候は写真撮影に適しているのかは不明。もしかしたら雲の陰影を撮影するにはいいのかもしれないが、遠い山並みを撮影するのはいいようには思えなかった。

 中峰山頂到着。天気予報通り南側は雲が多く槍穂は見えないが大天井岳や常念岳はまだ見えていた。しかしその方面は徐々に雲が降りてきて見えなくなり、そのうちに霞がかかったように白く煙ったのであちら方面は予報通り雨が降り出したようだった。南アや八ヶ岳は全く見えないが、奇跡的に越後駒ヶ岳と中ノ岳、巻機山だけは雲の切れ間から日の出直後の短時間だけ見えていた。立山、剱岳は山頂が雲に隠れたり見えたりと雲の底面ギリギリらしかった。針ノ木岳、蓮華岳は山頂に雲がかかることは無かった。

 中峰で休憩中に軽装の数名が上がってきたが、鹿島槍を目指す登山者の多くは中峰に立ち寄らずに縦走路で巻いていた。鹿島槍はすっきりと見えていて先を急ぎたくなるのも当然だろう。そういえばまだ暗くてライトの光が見える時間帯でも鹿島槍の稜線に光は無かった。お盆休みの時期なのでおそらく冷池山荘宿泊者は多かったと思うが。テント場もかなり賑わっているのがデジカメのズームで分かった。

 展望は悪くはないが素晴らしいというほどでもなく、短時間の休憩で下山開始。帰りは花の写真撮影をしながらであるが、もともとこの稜線では花が少ないのにもう真夏のシーズンを過ぎて秋の花に移行しているのでさらに種類が少なくなっていた。トウヤクリンドウが顔を出し、中峰周辺でコゴメグサが多く見られる様になっていた。鞍部の花は僅かに咲き残ったミヤマダイコンソウとコマクサだけ。南峰を過ぎるとさらに花は減る。まだ時間が早いので登りの登山者と多くすれ違う。残念ながら今回は雷鳥の姿は見かけなかった。

 種池山荘東側のお花畑もピークは過ぎて、山腹の一部でチングルマが群生するだけになっていた。花が今でも残っている箇所は残雪が遅くまで残った場所なのだろう。そんな場所ではまだミツバオウレンやツマトリソウがあってちょっとびっくり。時間帯が早い影響か、ミヤマリンドウはどれも花が閉じたままだった。なお、経験上、ミヤマリンドウはチングルマの群落に混じっていることが多く、チングルマを見かけたらその中をよ〜く見ると発見できるかも。オヤマリンドウと違って背が低く花は小さいので見つけにくいのが難点だ。小屋周辺のみハクサンフウロが見られるがお花畑もこれが最後だろう。

 ガラ場付近はまだミヤマキンポウゲが咲いていた。また、例年ここではヨツバシオガマが見られるが時期が遅いのか咲いていたのは一株だけ。その代わりと言っては何だがこれまで気付かなかったミソガワソウを発見した。

 以降の樹林帯では花はぐっと減って目立つのはミヤマアキノキリンソウだけ。たまに登場するのがオヤマリンドウやオオカニコウモリ、カニコウモリ、ハクサンオミナエシなど。小さくて目立たないがツルリンドウの花も。これは以前見たことがありネットで調べて種類が分かっているのでいいが、同じ蔓性の花で小さな白い花が2つずつ付いたのが何の種類かは調べるのに苦労した。科のレベルで種類が分かれば調べるのが楽だが、全く分からない場合はかなり苦労する。結果的にはツルアリドオシで間違いなさそうであった。

 登山口付近では今までこのコースで見たことがなかったソバナが一株だけ登場。来年以降も咲き続けるのを期待しよう。崖の近くではキオンの花。これは夏と言うより秋の花である。

 登山口の登山指導所には人が詰めていたが例年だとお盆まで。登山口の駐車場は満車で、ここから下ったスノーシェッドの駐車スペースもいっぱいで、さらにもう一つのスノーシェッドを下った先の駐車スペースにまで車があった。また、扇沢の有料駐車場も満車だったようで、かなり下った雷鳥駐車場に車を誘導していた。これもお盆らしい光景だ。これだけ人が多いのはコロナ禍以降で今年が初めてかも。書き忘れるところだったが、下山時には登りの登山者と多くすれ違い、結構な待ち時間がかかった。明日は熱帯低気圧から変わる予定の台風の接近が関東、東海に予想され、長野北部では直接の影響は弱いと思われるが天候の悪化は確実なので、多くは日帰り登山者だろうか。

 大町市街が近付くと本降りの雨。山の上も雨になっているのだろうか。早めに下山して正解だった。

 

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